不動産投資は物件が大事!
確かにそうです。
物件がいい物件であることは当然最重要であり、大前提であります。
では、次に大事なことって何でしょう?
それは、お付き合いする不動産業者です。
今日はそんなお話です。
不動産投資の成功は、いい物件に出会うこと。
いい物件に出会うにはどうしたらいいでしょうか?
物件との出会い方は様々ですが、最近ではインターネットでもたくさん物件を見つけることができますね。
そんな場合でも、その物件を扱う不動産業者と会ってお付き合いがスタートします。
そして、多くの場合、2件目以降も同じ業者から購入することになります。
だから、1件目を購入する際は慎重に業者を選ぶ必要があります。
物件を選ぶのと同じぐらい、業者も慎重に選ばなけれないけません。
では、どんな業者がいいのか?
大きく分けて、2つあります。
主に新築物件も販売をしている業者と中古物件の販売・仲介をしている業者。
それぞれのケースによって見分け方がありますので、今回は”新築物件も販売している業者”のケースでお話します。
さらに新築物件の中でも、鉄筋コンクリートなのか木造アパートなのか、区分なのか一棟なのかによって変わります。
今回は、ケースとして一番多いであろう”鉄筋コンクリートの区分”で考えます。
鉄筋コンクリートは建設費用が高いです。
そして、投資用マンションは都心部ですべきであり、そうすると必然的に土地値も高くなります。
そのため一棟完成させるまでに莫大な費用がかかるので、業者が土地を仕入れる段階から綿密に計画されます。
99%の業者は完成させるまでの費用をすべてキャッシュで支払える能力はありません。
当然銀行から事業用融資を受けることになります。
大金を貸す銀行からするとちゃんと返済してもらえるどうか心配なため、銀行も一緒に利益の出る物件になるかどうかを吟味します。
一緒にと言うと二人三脚って感じになってしまいますが、業者の出してきた案を審査し融資可能かどうかの判定をします。
そこでの審査は物件に対してですが、当然ながらその業者自身に対する審査も含まれています。
いくら物件の力が良くても、信用のない一見さんやまだお付き合いの少ない業者に対しては審査が厳しくなります。
なので、その業者が何棟作ったか、それを知るだけでも銀行からどれだけ信用されているかが分かります。
また、そのような実績は我々投資家にとっても大切な指標になります。
ぜひこれまでにどのような物件をどのくらい作ったのかチェックしてみてください。
立地の良い物件が多ければそれだけ情報収集力がある、情報網がたくさんある、取引業者から信用されていると考えられるでしょう。
つまり、銀行を含む取引業者との関係が良いかどうか、業者を選ぶ際には調べてみてください。
ちなみに、僕がお付き合いしている業者(以下、T社)がある大手の業者と取引関係があったのですが、その業者が常にいい加減で、あるとき大きなトラブルを起こしたそうです。それをきっかけにT社は大手業者との取引を打ち切ったそうですが、その業者はいつ頃からかかつての好況はなく、つい最近さらに大手の会社に買収(M&A)されました。
かつて人気のあったマンションをバンバン販売していた大手であったとして、いい加減な仕事をしているとやがて誰にも相手してもらえなくなり、業績が低迷し最悪破綻に追い込まれます。
そんな業者が作ったマンションは欲しいですか?いらないですよね。
なので、取引業者が多い、かつ円満な業者を見極めましょう。
土地の情報収集力で言うと、T社は常に新しい土地の情報が入ってきて、それらすべての土地のシミュレーションをする時間が足りないくらいで、経験からシミュレーションすらしない土地もたくさんあるようです。
銀行からOKが出る土地がたくさん出てきても、銀行から気前よくバンバン融資が出るわけではありません。いい土地の中でも厳選した土地だけが採用され、販売されます。
ちょっとしか情報が入ってこない業者と連日新しい情報が入ってくる業者、それぞれ同数の物件を建てたとすると、どちらの物件が良いでしょうか?前者も奇跡の情報が入るかもしれないですが、高確率で後者の物件の方がいい物件でしょう。
たくさんの業者と仲良くしている業者は、入ってくる情報数が多い。業者選定をする際の一つの指標にしてみてください。
次に、上場企業かどうか。こんな視点からも見てみてください。
やっぱり上場している業者の方がいいのでしょうか?
先ほどいい土地があっても銀行は気前よくバンバン融資してくれないと言いました。手元の財布を潤す方法の一つが株式市場への上場です。
一定の株を市場に出し売ることで、キャッシュを作ります。そのお金で土地をバンバン仕入れたり、建物をバンバン作ったりします。つまり、ビジネスのスピードが一気に速くなります。回転が速くなるため、同じ期間でもリターンの金額が多くなり、さらにそのお金をもとに投資ができます。
上場にはこんなメリットがあるんですね。
しかしながら、僕は上場していない業者の方がいいと考えています。
ただし、条件はあります。
それは上場していてもおかしくない規模の会社であることです。
つまり、上場できるぐらい規模も大きく、社会から信用があるのに上場していない会社を選ぶべきだと考えています。
もちろん上場企業は社会からの信用があります。
だからこそ社会から資金を集め投資をし、そのお金を原動力として、信用を糧に売り上げをの伸ばすことができます。
しかしその利益は次の投資に回したり、従業員の給料に支払われたりもしますが、投資家へも分配されます。
そう、利益の中から配当として投資家へ支払いを行っているのです。
それは何を意味しているのか?
投資家への配当はどこから生まれているかというと、売り上げです。
会社の売り上げは購入者から支払われたお金の積み上げですよね。
ということは、投資家への配当は、購入者が支払っていると言っても過言ではありません。
つまり購入者は、配当を払う必要のない会社と比べると、その分だけ多くお金を払っていることになります。
同じ物件なのに、配当の支払いがある会社かどうかで物件価格が変わるのです。
もちろん多少は仕入れ原価や建設費等の企業努力により変わってくるでしょうが、配当の支払いは想像以上に莫大です。
不動産販売を本業としている会社の配当及び株主は、他の業種と比べるととても高額です。株式投資をされている方は、このような会社の株を買われてはいかがでしょうか。
ということですので、不動産投資を考えている人にとっては、物件本来の価値以上の金額を支払わなければいけない可能性が大いにあります。
安心をお金で買うのか、それは人それぞれだと思いますが、今の時代どんなけ社会から信用されている大大大企業であっても、会社の不祥事等で信用を無くすことなんて多々あります。
そう考えると、上場しているから100%信用できるかというと疑問です。
であれば、上場していなくても自力があるから上場しない大きな会社を選ぶという選択肢は、全然ありだと思います。
僕がお世話になっているT社は、購入者の立場を考え上場する予定はないということでした。T社が仲良くしている上場企業の物件は似たような立地であっても、物件価格がT社より200万,300万ほど高いそうです。
T社は自社物件の売れ行きが好調すぎて物件不足だったため、世間話的にその上場企業の方と話をしていたところ、「うちの物件の代理販売していいよ」と言われたそうですが、200万,300万高い物件を、しかも長く売れ残っている(不人気、購入者のリスクの多い)在庫物件を自分の客に売れないということで、お言葉はありがたいものの、一切代理販売はしていないということでした。
株主への還元を物件価格にオンしなければ会社として成り立たない、一体誰にとって良い会社なのでしょうか。こんな会社ばかりではないでしょうが、株主のご機嫌伺いを常に考えないといけない会社は、物件購入者にとって本当にいい会社と言えるのでしょうか。今一度考えてみてください。
もちろんデメリットばかりではなく、上場企業だからこそ超好立地の物件を仕入れられるというメリットもあるでしょうし、その辺りはバランスの問題かと思います。
しかし、購入を決定する前に、ぜひ似たような物件との比較を行ってください。物件価格は明らかに高くないですか?
以上、”新築物件の鉄筋コンクリートの区分”を扱う業者の選び方について、お話しました。
長々と書きましたが、言っていることはシンプルです。
・お付き合い業者が多いか(物件実績や好立地ばかり等で判断できる)
・類似物件で比較して低価格か(上場企業か等で判断できる)
当然これだけでの判断も禁物ですが、一つの指標として、頭の隅にでも置いておいといください。
では!